2011年4月16日土曜日

質量数

2)に移る前に…
ここで、「ヨウ素131(131I)」、「セシウム137(137Cs)」などにおける131や137といった数字の意味や見方を確認しましょう。
先ず、全ての原子には、「原子番号」という数字が割り当てられています。原子番号は、それぞれの原子について、その原子核の中にある陽子の個数です。
次の表は「周期表」というものです。

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表より、ヨウ素(I)の原子番号は53、つまり、ヨウ素の原子核にある陽子は53個、
セシウム(Cs)の原子番号は55、つまりセシウムの原子核にある陽子は55個です。
では、ヨウ素131やセシウム137などに見られる131や137という数字は何でしょうか?
答えは、原子核を構成する陽子と中性子の個数を単純に足し合わせたものです。これを「質量数」と呼びます。

つまり、ヨウ素の原子番号が53ですから、ヨウ素131と言われれば、陽子が53個、中性子が78(=131-53)個により構成される原子核からなるヨウ素の事を指します。
同様にして、セシウム137と言われれば、陽子が55個、中性子が82(=137-55)個により構成される原子核からなるセシウムの事を指します。
例えば、一口にヨウ素(陽子が53個)と言っても、原子核を構成する中性子の数が異なるものがたくさん存在します。同じ原子番号(=陽子数)を持つ原子において、中性子の個数(あるいは質量数で考えても良い)が異なるものを「同位体」と呼びます。
同位体には、「放射性同位体」と「安定同位体」があります。ヨウ素の場合、天然の安定同位体は質量数が127のヨウ素のみであり[2]、その存在比は1(100%)です。
今回の原子力発電所の事故で大騒ぎになっているヨウ素131はご存知の通り、放射性同位体です。

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