2011年4月16日土曜日

5)「原子爆弾」
「原子爆弾」とはどのようなものでしょうか。


ウランやプルトニウム等の燃料となる原子の核分裂連鎖反応を厳重に制御し、その際のエネルギーを少しずつ、継続的に取り出すのが原子力発電所です。
それに対して、ウランやプルトニウム核分裂連鎖反応を極めて短い時間の間に一気に起こす事によって瞬間で莫大なエネルギーが放出させるものが原子爆弾です。
原子爆弾のような爆発的反応を実現するためには、兵器グレードの非常に純度の高い235Uや、239Puが必要です。
しかし、原子力発電所で用いられている燃料はそのような爆発を阻害してしまう不純物である238Uが殆どです。例えば、エネルギーを取り出すために必要な235Uは軽水炉の燃料なら3~5%程度[9]で残りは不純物です。これは核兵器に用いられる90%以上の高純度を誇る兵器級高濃縮ウランには到底及ばないもので、そもそも原子力発電所で用いる燃料が核兵器のような爆発的な反応を起こす事は原理的に不可能なのです。
(注:高温のジルカロイと水の接触によって生じた水素ガスや、放射線によって水が分解されて生じた水素ガスによる水素爆発は起きます(起きました)が、これは核兵器の爆発とは根本的に異なるものです。)
ただし、水素爆発や水蒸気爆発(溶出した非常に高温の燃料が容器内の水と接触することにより、接触した水が爆発的に水蒸気となる反応)が起こる可能性は否定出来ませんので、そのような爆発が起こってさらなる自体の深刻化が現実のものとならないようにしてほしいものです。
[9]各燃料製造会社や再処理施設の公表資料等多数

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